● 手術でとれない膵がんの、新しい選択肢について
こんにちは。加藤隆佑です。
今日は、膵がんの抗がん剤治療についてのお話です。
最近になり、膵がんの抗がん剤治療でいろんな選択肢が増えてきましたが、患者さんの満足のいく結果になるかという話では、ほど遠いのが現状です。
しかし、治る膵がんもあるわけですから、患者さんの希望をききながら、ベストの選択をしていくのがよいでしょう。
変更点をふまえて、今後の治療は以下の通りになります。
遠くの臓器に転移があって、手術ができない場合は、
ジェムザール(ゲムシタビン)
ジェムザール(ゲムシタビン)+タルセバ(エルロチニブ)併用
FOLFIRINOX療法
TS-1
ジェムザール(ゲムシタビン)+アブラキサン併用
遠くの臓器に転移がないけど、周囲の大切な血管をまきこみ手術ができない場合は
ジェムザール(ゲムシタビン)(アブラキサンの併用も可)
TS-1
さて、ここから先は私の考えですが、ジェムザール(ゲムシタビン)にタルセバ(エルロチニブ)を追加しても、副作用が増えるわりに、生命予後の改善は少ないです。
そのことを考えると、ジェムザール(ゲムシタビン)にタルセバ(エルロチニブ)を使うケースはかなり限られるでしょう。
またFOLFIRINOX療法は副作用がとても強いので、その治療法を使うケースもかなり限られるでしょう。
つまり、ジェムザール(ゲムシタビン)(そこにアブラキサンを併用も可)とTS-1が、治療の主軸であり、それ以外の治療に関しては、慎重に考えないといけないです。
膵がんで、もっと劇的によくなる治療法がでてほしいものです。
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治療歴12年目のがん治療専門医によるがん治療のサポート
手術、放射線療法、抗がん剤の副作用、食事療法、免疫療法など、がん治療に関わることをアドバイスしています。
加藤隆佑プロフィール
小樽協会病院 消化器内科 主任医長
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
肝臓専門医
内科認定医
がん治療認定医