● 術後補助化学療法を受けるべきか悩んでる方へ
おはようございます。加藤隆佑です。
昨日は、カウンセリングの師匠と崇めている先生と、食事をしてきました。
人を援助することについて、改めにいろいろ考えさせられた一日で、とてもよかったです。そのことについては、後日みなさんとシェアできればと思います。
さて、今日の本題です。
術後補助化学療法を受けるべきかどうかのお話です。
そのようなお話をしようとしたきっかけは、
手術で大腸がんを全部がんを取りきったが、リンパ節転移がありました。再発予防のための化学療法をすすめられました。したほうがよいでしょうか?
こんなご質問があったからです。
そこで、大腸がんの術後補助化学療法を例にとってお話します。
まずは答えです。
教科書的には(ガイドラインのことです)やったほうがよいです。
しかし、受けることによるメリットやデメリットをしっかり認識して選択することが大切。
というのが私の見解です。もう少し詳しくお話しますね。
大腸がんの術後補助化学療法の対象となるのは、リンパ節転移がある方です(一部例外はあります)。しかし、そのような方の再発率はそれほど高いわけではないのです。
つまり、リンパ節転移のある人すべてに、化学療法を行ったとして、その中にもともと再発しない人もいれば、化学療法をやったとしても再発する人も含まれるわけです。
具体的な数値としてはどうでしょうか?
100人の方が術後補助化学療法をうけて、その中で恩恵がえられる人は7人というデータがでています。
「恩恵がうけれる人」の意味は、「術後化学療法をしなければ再発してたけど、術後化学療法をうけたことにより再発がふせげる人」ということです。それが7人ということです。
ちなみに、約2割の中のさらに一部の方は、治療をうけることにより、再発までの期間がのびると言われています。
反対の視点でみてみると、7割強の方は、受けても恩恵はなく、むしろ、経済的負担や抗がん剤による悪影響を受けるだけになります。
大腸がん以外の術後補助化学療法でも、だいたい同じような成績です。
そのことを知っていただいた上で、術後補助化学療法を受けるという選択はいいのですが、受ける前にちゃんと
1、術後補助化学療法を受ける利益
2、術後補助化学療法を受けることによる不利益
3、術後補助化学療法を受けないことによる利益
4、術後補助化学療法を受けないことによる不利益
5、術後補助化学療法を受けて再発したらどうなるのか?
6、術後補助化学療法を受けないで再発したらどうなるのか?
ということを、考えた上で選択しないといけないと思います。
抗がん剤である以上、副作用(場合によっては生命に危険が及ぶ場合もあります)があります。
再発はほとんどしなくなるという思い込みで抗がん剤治療をうけて、最終的に再発してしまい、抗がん剤治療を受けた意味がなかったのでは、と言われた方もいらっしゃいます。
そうならないためにもちゃんと、最低上にあげた6個のことを考えないといけません。それは医師だけで考えれることではありません。個人の価値観というのも絡んできます。
ガイドラインで推奨されているからやりましょう、と言われ、それだけの根拠で治療を受けるのはちょっと乱暴かなというのが、私の見解です。
そのあたりのことを考えつつ、主治医と相談してみましょう。
またがんによる死亡率を左右するものに、どのような食事をとるかということも要素になります。
私たちの細胞は、食べ物からできていることから考えれば、当然といえば当然のことなのですが、食事にも気をつけてくださいね。
手術、放射線療法、抗がん剤の副作用、食事療法、免疫療法など、がん治療に関わることをアドバイスしています。