● 治療によって生じた便失禁を治す方法
こんにちは。加藤隆佑です。
今日は、治療に伴う合併症の1つである便失禁をどうしたらよいかのお話です。
がんの手術によって、肛門周辺の括約筋という筋肉が損傷を受けると、便失禁をするようになることがあります。
(それ以外の便失禁の原因として、出産や糖尿病があります。)
さて、治療ですが、まずは食事療法です。
便が下痢ですと、便失禁の頻度が増えるので、下痢気味の方には、食物繊維をとってもらいます。
人によっては、薬を使って、便が下痢気味にならないようにすることもあります。
同時に、骨盤体操をすることも大切です。
ここまでのことをすれば、約5割の方が改善します。
それらをやってみても、改善しない場合には、手術を考えます。
仙骨神経刺激療法です。
心臓用ペースメーカーと似た機会を体に埋め込み、排泄を司る仙骨神経に刺激を送ることによって、症状の改善を図る治療です。
はじめに、体の外から電気刺激を加えることを試してみて、それが効果のあった方に、体の中に刺激装置をうめ込むのです。
約7割の方が改善すると言われています。
便失禁の治療は難しいのですが、できることを1つずつやっていくことが大切です。