大腸がんステージ3とステージ4の抗がん剤治療と副作用と、治療の流れ

●大腸がんステージ3とステージ4の抗がん剤治療と副作用と、治療の流れ

こんにちは。加藤隆佑です。

今日は、大腸がんの、ステージごとの治療法と、治療の分岐点をお話します。

この分岐点をしっかりと認識すると、よりよい治療結果になります。

ステージ3とステージ4の治療については、特に詳しくお伝えします。順序だてて、説明していきますね。

段階1、生活習慣による大腸がんの予防

ふだんから、食生活を工夫したり、体を整える漢方を飲むとよいです。

動物性たんぱく質のとりすぎや、アルコールの過剰摂取は、大腸がんのリスクを増やします。その逆の食生活は、大腸がんのリスクを減らします。

段階2、大腸がんが、早期発見で見つかった段階

大腸がんは、早期発見で、完治します。

早期発見のために、大腸の内視鏡検査が有効です。定期的に、大腸のカメラを受けると良いです。

段階3、外科的な手術ができる段階で、大腸がんが、見つかった段階(ステージ1、ステージ2、ステージ3)

安全に切除できる場合は、手術で大腸がんを、切除してもらいましょう。

診断がついた時点から、漢方を飲んだり、薬膳的な食事をとると、良いです。つまり、東洋医学的なことを、加えるということです。体を動かすことも意識しましょう。

そのようにして、手術に耐え抜く力をつけることができます。

段階4、外科的な手術で、無事、大腸がんを取り除いた段階(ステージ1、ステージ2、ステージ3)

再発すると、予後の悪化につながります。

この段階で、再発させない工夫を取り入れるかどうかが、予後に影響を与えます。

そういう意味で、目に見える大腸がんを取り除いた段階は、大きな分岐点になると言えるでしょう。

再発の危険度が高い場合は、抗がん剤治療を、受けることが、推奨されます。

具体的には、切除した大腸と郭清したリンパ節を顕微鏡で確認して、リンパ節に転移が認められる場合です。

その場合は、ステージ3となり、抗がん剤治療を受けることが推奨されます。

その場合は、負担のない範囲で抗がん剤治療を受けると良いです。

以下のような抗がん剤を、半年間投与されることが多いです。

(副作用に耐えられる体力が少ない方は、以下のどれか)
ゼローダ(別称はカペシタビン)
TS-1(ティーエスワン)
UFT+LV

(副作用に耐えられる体力がある方は、以下のどれか)
ゼローダ(カペシタビン)+オキサリプラチン(エルプラット)
5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン(エルプラット)
TS-1(ティーエスワン)+オキサリプラチン(エルプラット)

そのような治療により、再発率は、数%下がります。しかし、それだけでは、十分な治療効果とは言えません。さらに、漢方や、薬膳的な食事といった東洋医学的なことを、加えましょう。

再発する確率を、さらに、0に近づけることができます。

この段階で、漢方や、薬膳的な食事を取り入れることは、非常に重要なのです。

また、以下のような医学的なデータがあります。

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877症例の胃がんの手術後の生存率と食生活の関連を検討した愛知がんセンターからの報告によると、豆腐を週に3回以上食べていると、再発などによるがん死の危険率が0.65に減り、生野菜を週3回以上摂取している場合の危険率は0.74になることが報告

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これは胃がんにおけるお話ですが、大腸がんでも同じです。がんを抑えることと、食事内容には、強い関係があることを、知っておいてほしいです。

また、漢方は、適切な内容で、必要な用量をしっかり飲みましょう。

そのようなことをしっかりと助言できる方から、漢方を提案してもらうと良いです。漢方は、インターネットでも、信頼できるものが、容易に入手できます。

補足ですが、ステージ1やステージ2の場合は、手術後の抗がん剤の有効性はないとされているので、抗がん剤治療を受ける必要はありません。(ステージ2の一部は、抗がん剤治療が推奨されることが、あります)。

段階5、大腸がんが、再発した場合、もしくは、ステージ4の段階

肝臓、肺、腹膜、複数のリンパ節に、がん細胞がある状態のことです。この状態は、がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されます。

抗がん剤治療が中心となります。その治療により、体に広く散らばっているがんが、制御できたと予想される場合は、根治を目指した手術が、なされることがあります。

また、「ステージ4=末期がん」と、思われがちですが、ステージ4でも、完治される方は、います。

私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階です。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。

ステージ4、もしくは、再発の大腸がんに用いられる抗がん剤で、初回(ファーストライン)もしくは、2回目(セカンドライン)に用いられるものとして、以下のどれかになることが、多いです。

(副作用に耐えられる体力が少ない方は、以下の中から選択されることが多い。)
ゼローダ(カペシタビン)
TS-1(ティーエスワン)
UFT+LV

(副作用に耐えられる体力がある方は、以下の中から選択されることが多い。)
ゼローダ(カペシタビン)+オキサリプラチン(エルプラット)
5-FU+ロイコボリン+オキサリプラチン(エルプラット)
TS-1(ティーエスワン)+オキサリプラチン(エルプラット)
ゼローダ(カペシタビン)+イリノテカン
5-FU+ロイコボリン+イリノテカン
TS-1(ティーエスワン)+イリノテカン

さらに、アバスチン(ベバシズマブ)が併用されることがあります。

RAS遺伝子に変異がない場合や、セツキシマブ(アービタクッス)やパニツブマブ(ベクティビックス)が、併用されることもあります。

はじめに選択される抗がん剤は、最も効く可能性が高いものが選択されます。

それらの投与は、ガイドラインに準じるものになることでしょう。

長期にわたる治療になることが予想されます。

そこで、抗がん剤による副作用で、体力を失わないようにしないといけません。

副作用を抑えることが、大切になるということです。

主治医に、副作用対策をしてもらいましょう。例えば、最近は非常によく効く吐き気止めが、使えるようになりました。さらに、漢方も、吐き気をとってくれます。

私の著書である抗がん剤治療を受けるときに読む本のp26には、ステージ4のがんを、食事療法で小さくさせた事例があります。

食事内容に気をつけることにも、注意を払ってください。

食事内容は、がんの成長に強い影響力を持つのです。

薬膳的な食事を心がけましょう。さらに、漢方をたすと良いでしょう。

東洋医学的な治療により、がんを抑えることができるというデータは、複数あります。

段階6、大腸がん再発やステージ4の段階で、初回の抗がん剤が効かなくなった段階

初回の治療が思っていたほど効かなかったときや、長期間、効いていても、効かなくなったときのことです。

まだ次の治療の選択肢があるから、大丈夫と考えることもできますが、治療の手詰まりの初期のサインともいえます。

そのような意味合いで、1つの分岐点になります。

この段階で、もう一度、治療の戦略を練り直すと、よいです。

もちろん、標準治療(ガイドライン)に準じる治療を受け続けることはよいです。

一方で、以下の選択肢も、検討します。

なんらかの治験も視野にいれることができないか?
放射線治療や手術を、本当にすることはできないのか?
漢方を取り入れていたならば、今のままの漢方でよいか?
ラジオ波で、局所コントロールができないか?

初回の治療が効かなくなったときに、漫然と主治医からの治療を受け続けるだけでなく、他の視点から、見直すとよいです。

先日も、そのような方の遠隔診療を行いました。その方には、非常に受けるべき価値の高い治験があり、その提案をいたしました。さらに漢方も、提案しました。

この段階は、大きな分岐点なのです。

段階7、大腸がんステージ4や再発の段階で、有効性の高い抗がん剤を、すべて投与した場合

大腸がんにおいて、オキサリプラチン(エルプラット)、イリノテカン、セツキシマブ(アービタックス)(もしくは、パニツブマブ(ベクティビックス))は、切れ味のよい抗がん剤です。

これらは有効性が高い抗がん剤といえます。

しかし、ロンサーフ、スチバーガという抗がん剤は、ガイドラインでも推奨はされていますが、正直なところ切れ味がよいとはいえません。

有効性は、前者(オキサリプラチン、(エルプラット)イリノテカン、アービタックス(セツキシマブ)(もしくは、パニツブマブ(ベクティビックス)))に比べると、かなり劣ることでしょう。

そして、そのような抗がん剤しか選択肢になくなったときも、1つの分岐点となります。

それほど切れ味がよくない抗がん剤を受けるときは、副作用に耐えられる体力があるかも、考えないといけません。

体力がない場合は、そのような治療を受けるべきで、ないです。

このような段階ですと、体力、免疫力をしっかりあげることを意識することが、より良い治療結果になります。

だからこそ、体力、免疫力をしっかりあげる漢方や、薬膳を意識したいです。そのようなことが、思いもかけないような、とてもよい結果にもつながります。

また、このような段階でも、以下のことを、常に考えましょう。

なんらかの治験も視野にいれることができないか?
放射線治療を、本当にすることはできないのか?
漢方を取り入れていたならば、今のままの漢方でよいか?
ラジオ波で、局所コントロールができないか?
血管内治療の適応はないか?

段階8、ステージ4や再発の大腸がんで、すべての治療をやり終えて、緩和ケアを提案される段階

そのような段階であっても、有効な治療があることがあります。

以下のようなことです。

なんらかの治験も視野にいれることができないか?
放射線治療を、本当にすることはできないのか?
漢方を取り入れていたならば、今のままの漢方でよいか?
ラジオ波で、局所コントロールができないか?

さらに漢方を取り入れれば、楽に、1日でも長く生きられることにつながります。

痛みがあれば、しっかりとりましょう。モルヒネ(オキシコンチン、フェントスなど)もよいです。同時に、極力少ない量の痛み止めで、痛みをとる工夫も必要です。

注意点として、痛みをとることを不得手とする医師もいるということです。うまく痛みをとれないときは、セカンドオピニオンなどで、他の医師に相談をすることも大切です。

仮に、抗がん剤、手術ができない段階であったとしても、やるべきことがたくさんあることは、覚えておいてくださいね。

漢方は、取り入れるべき治療の主役の1つです。緩和的な放射線治療も、有効なケースが多いです。

この段階における治療は、決まったルールがあるわけではないので、医師の力量が問われるところなのです。

大腸がんに負けない体を作り、大腸がんを克服していきましょう。

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加藤隆佑プロフィール

小樽協会病院 消化器内科 主任医長
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
肝臓専門医
内科認定医
がん治療認定医

手術、放射線療法、抗がん剤の副作用、食事療法、免疫療法など、がん治療に関わることをアドバイスしています。