卵巣がんステージ3とステージ4の抗がん剤治療と副作用と、治療の流れ

●卵巣がんステージ3とステージ4の抗がん剤治療と副作用と、治療の流れ

こんにちは。加藤隆佑です。

今日は、卵巣がんの治療の、ステージごとの治療法と、治療の分岐点をお話します。

この分岐点をしっかりと認識すると、よりよい治療結果につながります。

ステージ3とステージ4の治療については、特に詳しくお伝えします。順序だてて、説明していきますね。

段階1、卵巣がんの予防の段階

ふだんから、食生活を工夫したり、体を整える漢方を飲むとよいです。禁煙、節度のある飲酒も必要です。それが、予防につながります。

ちなみに、卵巣がんについては、指針として定められている検診はありません。急激な、お腹の張りや痛みなど、気になる症状がある場合に、早期に受診して、検査をしてもらい、卵巣がんかどうかを、調べてもらうことになります。

また、BRCA1、BRCA2という遺伝子が関係する、家族性の卵巣がんもあります。しかし、全体の1割にも、満たないです。

段階2、卵巣がんを、手術できる段階で見つかった段階

卵巣がんのステージの分類は、以下のようになっています。

ステージ1:がんが、卵巣だけにとどまっている。

ステージ2:がんが、卵巣周囲の臓器(卵管、子宮、直腸、膀胱)などに、広がっている。

ステージ3:がんが、上腹部、または、後腹膜リンパ節、鼠径リンパ節に転移している。

ステージ4:がんが腹腔を超えて転移している。もしくは、肝臓に転移している。

画像上、手術で全部取りきれると予想される場合(ステージ1、ステージ2、もしくはステージ3の一部)の場合は、手術が、治療の選択となります。

しかし、実際に手術をしてみたら、すべてがんを取り除けないこともあります。そのような場合は、手術でがんを、取れ除けるだけ切除します。卵巣がんが、体内に残る量を、極力少なくします。

その上で、抗がん剤治療を追加して、がんを叩くという治療になります。

さて、卵巣がんの組織型には、4つのタイプがあります。

最も多いのは、漿液性卵巣がんであり、抗がん剤が非常に効きやすいです。

類内膜腺がんは、子宮体がんを合併することがあります。また、漿液性卵巣がんと同様に、抗がん剤が効きやすいです。

粘液性卵巣がんと、明細胞腺がんは、漿液性卵巣がんに比べると、抗がん剤が効きにくいです。

さて、抗がん剤治療としては、TC療法(カルボプラチン+パクリタキセル(別称はタキソール))が選択されることが多いです。

「カルボプラチン+パクリタキセル(タキソール)」の代わりに、「カルボプラチン+ドセタキセル(別称はタキソテール、ワンタキソテール)」が選択されることもあります。

カルボプラチンという白金系に分類されるお薬が、とても重要な薬になります。

卵巣がんに、とても有効な薬剤なのです。

また、TC療法(カルボプラチン+パクリタキセル(タキソール))に、アバスチン(別称はベバシズマブ)を併用することも、増えてきています。

アバスチン(ベバシズマブ)を加えることにより、卵巣がんの再発を、より抑えることが判明しています。

段階3、卵巣がんを、手術だけでは、すべて取り除くことが難しいと予想される段階(ステージ3の一部が該当)

画像所見から、手術では、すべて、がんを取り除けないと判断される場合があります。ステージ3の一握りの方と、ステージ4の場合です。

ここでは、「ステージ3」の場合について、お話していきます。

ステージ3で、手術だけでは、すべて取り除くことが難しいと予想される段階ならば、治療方針は2つあります。

1つは、取りきれないことを前提に、手術をして、がんを取れるだけ取ります(減量手術)。取りきれない部分は、抗がん剤で、治療をします。

2つ目は、抗がん剤治療でがんを縮小させてから、手術をするという方針です。

抗がん剤は、「カルボプラチン+パクリタキセル(タキソール)」「カルボプラチン+ドセタキセル(タキソテール、ワンタキソテール)」といったものが、選択されます。

カルボプラチンという白金系に分類されるお薬が、とても重要な薬になります。卵巣がんにとても、有効な薬剤なのです。

また、アバスチン(ベバシズマブ)を併用することも、増えてきています。

「目に見える卵巣がんを、すべて取り除けるかどうか」が、予後に強い影響を与える分岐点になります。

すべてのがんを、取り除ける確率をさらに上げるために、漢方や薬膳的な食事(東洋医学)やハイパーサーミアを加えるとよいです。

段階4、手術(抗がん剤併用する場合も含める)で、がんをすべて取り除いた段階

ステージ1、ステージ2、ステージ3の診断となり、その後、目に見える卵巣がんを、体の中から取り除いた段階です。

ステージⅠa・Ⅰb、かつgrade 1とはっきりと診断された方は、再発率を下げるための、術後の化学療法は、しなくてもよいです。

また,Ⅰa・Ⅰb 期で、grade 2の方であっても、一部の方は、化学療法は必要ではないと、されています。

それ以外の方に関しては、術後に、抗がん剤治療をしばらくの間受けて、再発率をさらに下げることが推奨されています。

抗がん剤治療を、それなりの期間受けた上で、手術を受けて、卵巣がんをすべて取り除いた方に関しては、追加の化学療法は不要です。

術後の再発予防の抗がん剤治療を受けたとしても、再発率が多いです。進行卵巣がん(ステージ3)の5年生存率はおよそ20%台なのです。

そこで、さらに、再発率を抑える工夫が必要です。

漢方や薬膳的な食事という東洋医学をたしていきましょう。

さらに、再発率をさげることができます。

また、以下のような医学的なデータがあります。

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877症例の胃がんの手術後の生存率と食生活の関連を検討した愛知がんセンターからの報告によると、豆腐を週に3回以上食べていると、再発などによるがん死の危険率が0.65に減り、生野菜を週3回以上摂取している場合の危険率は0.74になることが報告

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これは胃がんにおけるお話ですが、卵巣がんでも同じです。がんを抑えることと、食事内容には、強い関係があることを、知っておいてほしいです。

再発すると、予後の悪化につながります。

この段階で、再発させない工夫を取り入れるかどうかが、予後に影響を与えます。

そういう意味で、目に見える卵巣がんと取り除いた段階は、大きな分岐点になります。

段階5、初回治療で完全に画像上から、卵巣がんを消失させることができなかった段階

初回治療(手術+白金系の抗がん剤)で完全寛解が得られない場合は、根治が困難とされています。

そうであっても、初回の治療で用いられなかった抗がん剤を用いて、がんを抑えることは、試みるべき治療の1つです。

ドセタキセル(別称はタキソテール、ワンタキソテール),エトポシド(ラステット、ペプシド)内服,ゲムシタビン(ジェムザール),リポソーム化ドキソルビシン(ドキシル),パクリタキセル(タキソール),トポテカン(ノギテカン、ハイカムチン)の6 剤のうちのどれかが、用いられることが多いです。ベバシズマブ(アバスチン)を併用されることもあります。

私の著書である抗がん剤治療を受けるときに読む本のp26には、ステージ4のがんを、食事療法で小さくさせた事例があります。

食事内容に気をつけることにも、注意を払ってください。そして、漢方をたすと良いでしょう。

また、漢方、薬膳的な食事といった東洋医学的な治療により、がんを抑えることができるというデータも、複数あります。

段階6、卵巣がんが寛解した後に、再発した段階

半年以上してからの再発の場合は、初回に用いた抗がん剤であるカルボプラチンを併用する化学療法になります。

例えば、「カルボプラチン+ドセタキセル(タキソテール、ワンタキソテール)」「カルボプラチン+ドキシル」といった治療です。ベバシズマブ(アバスチン)を併用することもあります。

それなりの治療効果が、望めます。

半年以内に再発した場合は、カルボプラチンといった白金系に分類される薬を、用いない治療になります。

ドセタキセル(別称はタキソテール、ワンタキソテール),エトポシド(ラステット、ペプシド)内服,ゲムシタビン(ジェムザール),リポソーム化ドキソルビシン(ドキシル),パクリタキセル(タキソール),トポテカン(ノギテカン、ハイカムチン)のうちのどれかが、用いられることが多いです。

さらにベバシズマブ(アバスチン)を併用することもあります。

漢方、ハイパーサーミアで、よりよい治療効果が出るようにすることができます。

半年以内の再発か、半年以上かの再発で、大きく予後が変わります。

「再発までの期間が、半年を超えるか否か」が、予後に影響を与える分岐点と言えるでしょう。

段階7、ステージ4の卵巣がんの場合

肝臓、肺、腹膜、複数のリンパ節に、がん細胞がある状態のことです。この状態は、がん細胞が、体に広く散らばっていると予想されます。

抗がん剤治療が中心となります。

また、「ステージ4=末期がん」と、思われがちですが、ステージ4でも、完治される方は、います。

私が考える末期とは、自分の力で歩くことも食事をすることもできないほど、弱りきっている段階と考えます。そのような段階にならない限りは、受けるべき治療はあります。

抗がん剤治療でがんを縮小させて、手術ができる状態になれば、手術をします。がんをとれるだけ切除してから、抗がん剤治療になることもあります。

抗がん剤治療に関しては、「カルボプラチン+パクリタキセル(タキソール)」をはじめに用いることが主流です。「カルボプラチン+ドセタキセル(タキソテール、ワンタキソテール)」が選択されることもあります。

抗がん剤と手術で、完全寛解にもっていける方も、中にはいます。

しかし、残念ながら、そのようにならないこともあります。

「寛解になるか、否か」が、予後に影響を与える分岐点になります。

寛解をめざすために、現在の治療に、漢方、食事療法を足しましょう。ハイパーサーミアを足すことも、有効です。

寛解に持っていけない場合は、次に以下のような抗がん剤を用いての治療になります。

ドセタキセル(別称はタキソテール、ワンタキソテール),エトポシド(ラステット、ペプシド)内服,ゲムシタビン(ジェムザール),リポソーム化ドキソルビシン(ドキシル),パクリタキセル(タキソール),トポテカン(ノギテカン、ハイカムチン)のうちのどれかが用いられることが多いです。さらにベバシズマブ(アバスチン)を併用することもあります。

寛解に持っていけないと、厳しい状況になりつつあると考えないといけません。しかし、漢方、ハイパーサーミアを加えると、よりよい治療効果が出るようにすることができます。

さらに、長期にわたる治療になることが予想されます。そこで、抗がん剤による副作用で、体力を失わないようにしないといけません。

副作用を抑えることが、大切になるということです。

主治医に、副作用対策をしてもらいましょう。例えば、最近は非常によく効く吐き気止めが、使えるようになりました。さらに、漢方も、吐き気をとってくれます。

漢方や薬膳的な食事は、よりよい治療結果にしてくれます。

段階8、卵巣がんステージ4や再発の段階で、すべての治療をやり終えて、緩和ケアを提案される段階

そのような段階であっても、有効な治療があることがあります。

以下のような治療を模索する価値はあります。

なんらかの治験も視野にいれることができないか?
放射線治療を、本当にすることはできないのか?
漢方を取り入れていたならば、今のままの漢方でよいか?

漢方を取り入れれば、楽に、1日でも長く生きられることにつながります。

痛みがあれば、しっかりとりましょう。モルヒネ(オキシコンチン、フェントス)もよいです。同時に、極力少ない量の痛み止めで、痛みをとる工夫も必要です。

注意点として、痛みをとることを不得手とする医師もいるということです。うまく痛みをとれないときは、他の医師に相談をすることも大切です。

仮に、抗がん剤、手術ができない段階であったとしても、やるべきことがたくさんあることは、覚えておいてくださいね。

漢方は、取り入れるべき治療の中で主役になる1つです。

この段階における治療は、決まったルールがあるわけではないので、医師の力量が問われるところなのです。

卵巣がんに負けない体を作り、卵巣がんを克服していきましょう。

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加藤隆佑プロフィール

小樽協会病院 消化器内科 主任医長
日本消化器内視鏡学会専門医
日本消化器病学会専門医
肝臓専門医
内科認定医
がん治療認定医

手術、放射線療法、抗がん剤の副作用、食事療法、免疫療法など、がん治療に関わることをアドバイスしています。